こんにちは、教習指導員のまるです
教習所でネットを検索すると
「指導員に怒られて、教習所に行きたくない」とか「あの先生がセクハラまがいなことをしてくる!」
など、人間関係についての悩みが多く挙げられています
私なりに解説していきます
私も、今思い返せば若手だった頃のあの言葉は、人を傷つけていると反省しながら書いていきます。
教習指導員はハラスメント放題!
運転の指導をさせていただく上で、この仕事はみなさん教習生から教習料金を頂きながら上から目線で指導をしてしまいがちになる職業でもあります。
この仕事にはハラスメントが至る所に転がっています
教習生の皆さんもこんな言葉言われたことあるかもしれません
パワハラ指導員
こんな簡単なこともできないのか
私も教習生の時に言われたことがあります
お前は簡単かもしれないけど、俺は初めて操作するんだ!
誰しもが初めての経験では失敗したり、何度も繰り返して成功していくものですが
私たち指導員は四六時中、運転の操作について指導していますので「運転=簡単」と思ってしまうのです。
慣れてしまえば簡単なことですが、経験の浅い人には言ってはいけない言葉ですね。
しかし、運転以外の場面でも上司が部下に対して「こんな簡単なこともできないのか」と言ってしまうと、そこで人間関係にヒビが入ってしまいますし、なかなかその上司を慕うことも困難になってしまいます。家族・友人・職場の仲間、様々な場面でNGワードですね
もっとゆっくり走りなさい
さて、ゆっくりとは一体何キロの速度で走ることなんでしょうか?
言われた場所は様々あると思います
例えば
【カーブの速度】一般的に15キロ前後の速度であると運転教本には書いてあるますが、これも教習所の大きさによっては速くなったり、遅くなったりと様々です。
では一体何キロが正解なのでしょうか?
正解の速度はありませんが「スローインファーストアウト」という方法を使ってあげると比較的ゆっくりとした速度を保つことが出来ます。
カーブ手前で「ちょっと落としすぎかな?」くらいまで落として
カーブ終わりめがけてアクセルで調節しながら曲がっていく方法です。
初めはブレーキ操作が上手くいかないとは思いますが、何度も意識しているうちにできるようになります!
【S字・クランク内の速度】ここではただ通過できれば良い!と考えている方も多くいますが、それは初めだけで、検定が近づいてきたらなぜこんな狭いところを走るのか?
これを考えて走行できたら指導員の考える「もっとゆっくり」に近づけると思います。
要は、路上の狭い道で突然子どもが飛び出してきても対応できる速度ってことです。
もっと行き先をしっかりと見なさい
行き先は見てます!
カーブの走行で走行位置が定まらない教習生が言われがちな言葉ですね
【教習指導員の方】ここの教習はなかなか指導するのが難しいですが、教習生の視線ミラーをうまく活用し、見てほしい箇所をピンポイントで伝えていく方法がいいと考えています。
直線→次のカーブの入り口めがけて走って!
カーブ→次のカーブの入り口めがけて!
交差点→何番の手前めがけて速度落としてみて
など、どこを基準として加速するのか減速するのかを伝えてあげることで初めは目印的になりますが段々と視野が広がり、全体を見渡せるようになってきます。
S字やクランクの脱輪を防ぐ方法でも使えます。
【教習生のみなさん】初めの教習からうまくはいきませんが、1回2回と練習が進んできたら自分なりにイメージトレーニングをされてもいいと思います。
運転教本にも運転席からの目線などが載っていますので、気休めに感じますが是非イメトレしてみてください。
今、右折できたのに、今行かないでいつ行くの〜
「いつやるの〜?今でしょ!」とかちょっと古いかしら(笑)
特に右折はタイミングが必要なことは多々ありますが、それを強要してはいけません
場内教習で右折のタイミングを逃したとしてもそんなに渋滞を作ってしまうことはないですが、路上では私たち教習車が大渋滞を作ってしまたり、後ろの車からクラクションを鳴らされることがあったりと様々です。
右折と直進による「右直事故」は交通事故の中でもとっても多い事故の一つです。
【右折のポイント】
①対向車との距離 ②行き先の横断歩道の歩行者(自転車)の有無 ③行き先の渋滞状況
この3つをしっかりと見極め、安全に右折していきましょう!
モラハラ指導員
こんなこと言われたら、私も教習所に通いたくないです・・・
聞いても教えてくれない「自分で考えましょう」
聞いても「自分で考えろ」って言われる!!
さて、「自分で考えろ」という言い方はひどいですが、教習生のみなさん!教習はどのくらい進んだのでしょうか?
実は、この「自分で考える」というのは私も教習中によく話したりします。
初めてやる操作を「自分でやれ」とは言いませんが、教習原簿の最後の項目は
【みきわめ】という時間があります。
この時限は検定に合格できるレベルであるか簡単に試験してみましょう!という項目です
学校でいう小テストのようなものですが、ここの段階で自分の考えで操作できないと検定で合格することはできません。
厳しいようですが、修了検定・卒業検定とも検定員は運転中に助言をすることが出来ません。
練習中は「S字落ちそうだよー!」とか「次の車が行ったら右折しようね」など指導員がアドバイスしてきましたが検定では一才無言です(怖いですが・・・汗)
【指導員のみなさん】
みきわめの2〜3時間前には大体一人で運転できるようになってて欲しいですよね(理想ですが)
初めて受け持つ教習生がみきわめだったりすると、「この子は明日の検定大丈夫なのか?」と思ってしまうこともあると思いますが、初めての教習生は逆に良い緊張感を与え、検定の模擬練習が出来てとっても教習生にとってはプラスだと考えています。
【教習生のみなさん】
初めての操作で「自分で考えろ」と言われその時間教習されるくらいならいっそのこと「この時間無駄なんでやめます!」とキッパリ言えば良いのです。
教習は50分行わなければ無効となるので、無駄な時間を過ごすよりキッパリ「違う人がいい」と受付に話してみてください。
ただし、好きな先生じゃないからドタキャンするのは禁止ですよ!
失敗すると舌打ちされる
失敗する辛さは教習生の方が大きく感じていると思います。
私たち指導員も練習で失敗すると愕然としてしまいます。舌打ちもいい舌打ちを使っていきましょう
発進の際エンストしてしまった・・・「ちっ!もう少しクラッチ優しくあげればよかったのに!」
S字で脱輪してしまった・・・「ちっ!前輪だけじゃなく後輪のことも考えてみて!」
など、舌打ちだけで終わってしまうのでなく、何がダメでもっとこうすればということを伝えていきましょう!つまりは、悔しい気持ちを共感して、さらにアドバイスしてあげましょう。
〇〇さんの方が上手だな〜と友達と比較される
学生が多く入校してきたり、合宿で友人関係であったりすると教習中の会話の中で「私、〇〇さんと友達なんです。」という情報をもらうことは多くあります。
その時に「お友達はうまく出来ていたよ」と言われると、途端に緊張してしまって上手くできるものも失敗してしまいます。
逆に「あいつが上手く出来て俺(わたし)に上手く出来ないわけない!」と闘争心を剥き出しにしてくれればいいのですが
やはり、人と比べるのは良くないですし、あんまり意味ないですからね。
「そんな運転じゃ人殺しちゃうよ」って言われる
これは、絶対に言っちゃダメ!
交通事故への恐怖心を抱かせてしましますし、もしも家族の方で交通事故での不幸があったりしたら車内が一気に地獄です!
実際にあった交通事故を例にとって
例えば・・・巻き込み確認が苦手な人に「巻き込みしないと殺しちゃう!」ではなく
この交通事故のようなことが起こっちゃうよ。と客観的に話してあげる方が効果的な気がします。
交通事故を自分のこととして受け入れることもそうですが、日本のどこかでこんなにも痛ましい事故が起きている。気を付けなければ!と思ってもらうようにしましょう。
セクハラ指導員
肌と肌が触れ合うのは仲の良い人であれば抵抗はないですが、私たち指導員は会ったばかりの人間なので、接触にはかなり気をつけていると思います。
しかし、日本のどこかの教習所でセクハラで処分を受ける報告は毎年あります。(何やってるんだ)
私も含め、気を付けたいところです!
ペダル操作やハンドル操作の際、触ってくる
初めて自動車を運転するときに起こりがちなシチュエーションです
私の場合は、「危険な時はこちらからハンドルを操作しますが、その時手が触れるかもしれません」と、そんなシチュエーションもあるよと構えてもらうようにしていることと、手袋をはめて直接肌が接触しないように工夫しています。
「暑かったら脱いでもいいよ」
これ、実際に私が言って注意を受けた案件です
運転中は緊張したり、車内の空調を管理できるのでジャケットは脱いで操作して欲しいと考えていました。
その流れで、「運転中暑くなるし、エアコンもつけるのでジャケットは脱いでください」とジャケットを脱ぐことを強制してしまったら、教習生から「先生、それは場合によってはセクハラです」と言われてしまいました!
特に訴えられたりはしていません。教習生とも親密に教習していたので生徒側が教えてくれたという感じでした。
言葉って難しいと思った瞬間でした(汗)
「短いスカートは運転に不向きです」
これは、みなさんに伝えたい!
ミニスカートで教習所に来ないでーーー!!!
これは私が実際にあった話ですが
夏の暑い日でした。いつもの担当の女性の生徒がとってもおしゃれな格好で教習所に来ました。 なんと!ヘソ出しのミニスカートという渋谷にでもいくの?って服装できたんですが、 運転にはちゃんとスニーカーを用意していたのでそのまま運転席に乗ってもらい教習が始まりました。 右折・左折・坂道発進と課題をこなしていくうちにどんどんとミニスカートが上に上がってきてしまい、しまいにはパンツ丸出しの状態で運転することに! 運転中に膝にブランケットなどをかけることは禁止されていますので、彼女もスカートが上に上がってくるたびに直しての繰り返しで、とってもめんどくさそうでした。 「今日、まる先生でよかったよー。」 「う・・・うん。私も同性でよかったって思ったよ(苦笑い)」
こんなことがありますので、是非!ミニスカートで来るのはお控えください!(笑)
プライベートな質問が多い
担当の生徒がついていたりすると1段階の右も左もわからなかった教習生が2段階の卒業検定を迎える頃には、結構仲良くなっています。
初めの頃は緊張してお話なんて出来なかった生徒が
お話ししながら確認や安定した運転操作ができるようになると、とっても嬉しいです。
しかし、これは担当の生徒であるからであり、初めましての人にプライベートを切り出してはいけません!
フレンドリーに話したい気持ちはわかりますが、とりあえずは教習業務をしっかりと行いましょう!
教習生のみなさんも是非、教習中にプライベートの話をしたい気持ちはあると思いますが
少しでも安全に運転できるように、運転のことや交通ルールについての話で車内は盛り上がってください!
まとめ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます
いっぱいかきました。
私も書いていていろんなシュチュエーションでいろんなハラスメントがあるなと思い
これからの教習、身を引き締めなければ!と実感しました。
お互いに不快に思ったり思われたりするのは嫌だと思います
私たち指導員も人間ですので、みなさん教習生の方の中には「まる指導員は嫌だ」と思う方もいると思います。
そういう方は無理せず、受付で拒否指導員にしてくださいね。
いろんなハラスメントに気をつけましょう!
おしまい
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