この冬、自動車学校で免許を取得して、教習指導員ってどんな仕事かな?と疑問に持った方や、もしも指導員になるとしたら、どうやってなるんどろう?難しいのかな?とお考え方向けの記事です。
本記事の内容
- 教習指導員になるには
- 教習指導員の試験(審査)内容
- 指導員になるための心得
この記事を書いている私は、指導員歴8年ほどで、指導できる資格は普通自動車・準中型自動車・中型自動車・普通自動二輪・高齢者講習などの業務に携わってきました。
これから試験(審査)を受ける方や指導員の仕事に興味がある方の悩みとして「どんな試験があって、どのくらい難しいのだろう?」という点があると思います。
実は私は初めから指導員になりたかったわけではないのです。初めて取得した免許もオートマチック限定の免許でした。大学時代は車なんて一切乗らず、ペーパードライバーでした。
しかし、8年間働いてきて自動車学校の内部のことや「指導のコツ」みたいなものがわかってきました。そこで今回は、「教習指導員のなり方とその心得」など解説していきたいと思います。
教習指導員になるには
まずは、受験資格ですが、21歳以上で技能教習に用いる自動車を運転できる免許所有者です。技能試験ではマニュアル車が試験車なので私はオートマチック車の限定解除を行いました。
特に大卒などの指定も無いので、自動車学校に入社でき、21歳以上であれば誰でも取得できます。私の自動車学校では、事務の方も取得のため勉強中です。
取得のポイントは3つです
- 事前教養
- 審査
- 事後教養
1.事前審査
指導員になるための資格は自動車学校に入社してから、1ヶ月間の事前教養を受けた後に、試験(審査)となります。
※また、指導員試験のことは、審査というので、以後試験の事は(審査)と表記していきます。
審査までの流れはこんな感じです。
事前教養 4月・6月・10月(静岡県について)→5月・7月・11月に審査→6月・8月・12月の第一週に合格発表
2.審査
審査は年に3回あります。
次の審査の内容で詳しく話しますが、審査項目は6項目あり、一つずつの項目の有効期限は1年間です。なので、4月に合格した項目は、来年の4月まで有効です。
ちなみに私は5月の審査が初めてで、11月の審査には全ての項目に合格しました。
3.事後教養
全ての審査に合格すると、各自動車学校で事後教養を行います。
事前教養や事後教養は県で定められた時間をクリアしていくので、時間や教養の内容については各県や教習所の方針に従っていれば良いです。
教習指導員の試験(審査)内容
ここが本題ですね
審査項目は6項目あります
- 論文
- 教則
- 関係法令
- 技能面接
- 学科面接
- 運転
各項目の合格点は70〜80点以上となっていますが、実際のところ点数は曖昧です。
しかし、合格にあたっての注意点はいくつかあるので、一つずつ解説していきます。
1.論文
3問出題され、点数の配分は50点・30点・20点となります。
この場合「じゃあ、20点問題が0点でも合格なのか?」と疑問が出ると思いますが、20点が白紙だと不合格になります。全体的に理解できているのか見ているので、論文はほぼ100%記述できないと不合格です。
「それは、めちゃ厳しいじゃん!」と思ったと思いますが、実は、審査の前の事前教養で過去に出た全ての論文の内容を配布するので、量はかなり多いのですが、覚えてしまえば確実に合格できます。
また、私が受けた静岡県での事前教養では問題の傾向も教えてくれました。
…と論文は覚えることが多く私が受験した審査では事前教養で教わらなかった範囲から出題さえれ論文の項目を落としてしまいました。
教習指導員の教科書に「指定教習所実務必携」が各新規指導員に配られるので教科書をしっかりと勉強しましょう。
2.教則
正誤問題です。自動車学校で免許取得の際に勉強した内容です。合格点は95点以上です。
合格点に驚くと思いますが、難しく無いです。これも、事前教養で問題が配布されるので覚えれば問題ないです。
3.関係法令
正誤問題です。合格点は80点以上。こちらの問題は、教習所の技能や学科の決まり事の問題です。
例えば、教習所では1時間50分の教習時間である。と道路交通法に指定があります。これは1分でも伸ばしたり縮めることはできません。
あとは学科の教室の明るさは米米と決まっています。
4.学科面接
学科に関わる質問だけでなく、県ごとに行っている交通事故に対する対策を理解しているか?なぜその自動車学校に勤めようと思ったのか?など、幅広く質問されます。
相手は免許センターの試験官、つまりは警察官ということもあり私が対策したことは…
- 大きな声でハキハキと
- 交通事故死者数や県内の事故の傾向をまとめておく
- わからないことは、勉強不足とはっきり話す
3番目はなるべく少ない方がいいですが。わからなくなった場合、モジモジしていると印象が悪くなるから、諦めも肝心だと、先輩から教わりました。
5.技能面接
技能に関わる質問がメインでした。基本的には教習簿の内容や、実務必携の内容がでます。
私の静岡県の審査では学科面接よりも技能面接の方が厳しいな内容でした。県によっては違いがでると思いますので、コミュニケーションをはかるためにも、先輩方に聞いてみるのもいいと思います。
6.運転
指導員になるのだから上手くなきゃ絶対にダメな項目。…と、思いがちですが、運転は操作ができれば誰でも合格できます。
合格の基準点は80点で、みなさんが教習所で仮免試験を受けたときの採点基準と同じです。
採点基準が気になる方は実務必携に載っているので確認してみましょう。
私のアドバイスとしては指導しているように運転することです。
この記事を読んでいる方は、指導員に興味があったり、実際に目指してる人が多いと思います。この審査に合格したら、晴れて指導員として働くわけですから、運転の試験は実際に指導してるつもりで運転することが合格の近道だったりします。
指導員になるための心得
ここまで読んでくださってありがとうございます。
私たち指導員は学校の教師ではないので教育者という立場から教習生に指導することはできません。
しかし、昨今の交通事故の現状を見ると、悲惨な事故のニュースに腹を立てている方も多いと思います。
私たちは安全運転の指導者で、見本です。
教習生は様々な方が入校してきます。私たちの運転を見て「かっこいいな」「こんな風に運転したいな」と一人でも多くの方に思っていただきそれを続行させて行けたら、毎朝の悲惨な事故のニュースも減ると信じています。
私も現役の指導員です。みなさん、一緒に安全運転ができる日本を作っていきましょう。
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